中1・中2から始めることの大切さ
こんにちは One Bridge アカデミーです。
以前の記事で受験はレースだとお伝えしました。
今回は勉強の開始時期について、より具体的なお話をしたいと思います。
勉強を始める時期が遅いと何がよくないのか、お伝えできればと思います。
まず当塾としては「成績の優劣は概ね勉強量が決定する」と考えています。
これは何度も繰り返し述べてきているとおりです。
ですから、成績に関する問題は「勉強量を増やす」というシンプルな方法で解決できる場合がほとんどだと経験上思います。
ただし、人それぞれ勉強量に対する成績の伸び率は異なります。
学校で同じ授業を受けていても、評定が5の子もいれば1の子もいます。
全く同じ成績の同級生がいないのと同じように、学習の効果は人それぞれ千差万別なのです。
スポーツにおいては「練習さえすれば誰もがプロになれる」と考える人はいないでしょう。
皆が皆、運動神経や才能による能力の差を認めます。
人種や遺伝の影響ですら一定程度受け入れられていると思います。
しかしなぜか勉強においては、極端な平等思考をしてしまいがちです。
あの子はできるのに、なぜ私は、なぜうちの子はと。
勉強すれば誰もが"同様に"成績が上がるはずだと。
しかし実際にはそうではありません。
参考書を読んだり授業を受けて、すぐに習得できる子がいる一方、すぐに内容を忘れてしまう子もいるのです。
勉強する本人も、そのご両親も、人それぞれ勉強への適性は異なるという、当たり前の事実を認めなければならないと思います。
この前提に立った上で、それでも我々は「勉強量を増やせば成績は上がる」と考えています。
中学・高校・大学受験という狭い受験の世界においては、そのさらに狭いトップレベルの世界を除けば、勉強量と成績は概ね連動すると経験上分かるからです。
学習塾は、どんな子がどれだけ勉強すれば成績がどう変化してどの学校に合格するのか、生徒たちから情報を得てそれを蓄積していきます。
つまり全ての生徒がケーススタディであり、生徒から我々塾も学んでいるのです。
そうして得た知見から、勉強においては「努力は才能を凌駕する」と我々は考えています。
成績が低迷している場合の多くは勉強時間が足りておらず、勉強経験が不足しているが故に効率的な学習方法が身につけられていないのです。
ですから、勉強量を増やして勉強の経験を積みながら自分の中で上手くいった勉強の仕方を体得していくべきです。
実際に成績が低迷しているケースの多くは、この方法で解決してきました。
今夏、慶應義塾高校野球部の甲子園優勝が取り沙汰されていました。
彼らの偉業を根拠として「練習は量より質だ」という言説も説得力を増していますが、私は必ずしもそうだとは思いません。
彼らが偉業を成せたのは、効率的な質の高い練習ができたからだと言われています。
しかし質の高い練習をすることができるようになるまでには、相当な量の練習を小学・中学の間に重ねたのではないでしょうか。
そういった下地があったからこそ、他校よりも遥かに短い練習時間であっても全国優勝できるまでに技能を磨けたのだと私は思料しています。
同じ人間である以上、彼ら慶應義塾高校野球部の方々が野球を始めたときから効率の良い練習ができたとは思えませんし、学校側が効率の良い練習を提供していたとしても、下地がなければそれを自分のものにすることができたとも思えません。
ですから、やはり我々は「勉強量を増やせば成績は上がる」という当たり前の考えを変えず、生徒に指導をしていきたいと思っています。
さらにもう2点、成績を上げるために勉強量を増やすことの理由を付け加えたいと思います。
それは仮に自分が学習効率が人よりも悪かったとしても、どうしようもないからです。
受験は他のライバルたちと同じ日時で、同じ試験を受けます。
つまり受験日というタイムリミットまでの勉強の完成度を競い合う一種の競技種目です。
自分が入学したい学校や、将来的にやりたいことがあったとして、人より勉強の適性が無いからといってそれを諦めてしまってもよいのでしょうか。
泣く泣く目標を諦めざるを得ないこともありますが、受験生はまだ中学生や高校生です。
人生という長い時間軸の中の、最も成長著しい時期にあるのです。
そんな変化の著しい時期にあって、人よりも適正がないなどと誰が決めつけられるのでしょうか。
仮に本当に適性が無かったとしても、それに配慮して試験内容が変わってくれたりはしません。
『ピーナッツ(スヌーピー)』にある「配られたカードで勝負するんだ」という言葉のとおりだと思います。
ですから、勉強の効率が悪いのであれば、そのディスアドバンテージを凌駕するまで努力を重ねるしか目標を達成する方法はないのです。
また高校入試や大学入試など、上から下でわずか数百から数千時間の勉強時間の差しか実力の差はありません。
もちろん差は差ですから、今に至るまでの時間の使い方や自らの適性を省みることに意味はあります。
しかしだからといって受験という競技から降りて目標を捨ててしまうには、あまりに小さな差ではないでしょうか。
過ぎ去ってしまった時間は取り返しが付きません。
しかし気がついたときから何とか取り返すことのできる差です。
ですから、成績が人よりも悪いからといって悲観的になる必要はありません。
人よりも勉強時間が足りてないという不利な状況で出した推論は不利なものになるに決まっています。
そういう意味で、そもそも勉強時間が足りていない人はスタート地点に立てていないのです。
ですから、悲観する前にまず他の人と勉強時間で並ぶまで、まずは勉強をしてみるべきなのです。
そうでなくては目標との距離を測ることはできません。
ここまで長々と成績を上げるには勉強量を増やすべきだと述べてきました。
しかし現実問題として、勉強をサボってしまった人が後からコツコツと勉強してきた人に追いつくのは大変です。
追いつこうと努力している間にも、勉強が習慣化している人は勉強を続けるからです。
ですから追いつこうとしている人は人の2倍、3倍とやらなければなりませんので、勉強の開始時期が遅れていて、かつ目標校と現状の間に大きな乖離のある生徒に対して、我々はそのように指導をしています。
しかし当然ですが人より2倍、3倍勉強することは難しいです。
受験学年になってから急に成績がぐんぐんと上がって、目標校に合格したというエピソードは印象には残りますが、その絶対数は極めて少ないと私は思います。
あえて言うなら、そんなことができる子が後からではなく先に勉強を開始していれば、さらに高い目標を叶えられたのではとすら思えてしまいます。
もちろん、そんな所感は教師側が勝手に抱くものですので、受験生本人には何の落ち度もないということは言うまでもありません。
ではこれから受験を控える受験生がどうすべきかと言うと、これも当然な結論ではありますが、高い目標を叶えたいのであれば人よりも長い期間勉強をするべきだと思います。
人よりも2倍勉強をすることは至難ですが、人よりも2倍の期間勉強することは難しくありません。
中3になってから、一日6時間勉強するのは無理でも、中2から一日3時間勉強することは多くの中高生にとって可能なことなのです。
上でも述べている通り、遅れは簡単に取り戻せません。
だからこそ我々は、これから受験を控える中高生には、手遅れになる前に早く勉強を開始してほしいと心から願っているのです。
一般に2学期は学力に大きな差ができる時期だと言われています。
夏休みという長い自由時間があることがその主因だと思われますが、カリキュラム的にもそうと言えるかもしれません。
公立中学生を例に取りますと
~英語~
中1:フレーズ・単語の単純暗記から文法の学習が始まる
中2:比較・不定詞・現在完了といった同一の文であっても訳し方の異なる文の出現
~数学~
中1:抽象的な内容を含む学習が始まる(方程式・関数)
中2:中1単元の理解を問い、中3単元に直接的につながる学習(連方・1次関数)
と、やっかいな時期にあたります。
ハッキリと言って2学期の内容が入っていないと、その後の学習に大きな悪影響を及ぼします。
仮に3学期の試験を乗り越えても、中3で苦しむことは間違いないと断言できます。
ですから、この記事をご覧で勉強の遅れを自覚している中高生は、今ここで熱を入れて勉強をしてほしいと思います。
今回は以上となります。
それでは失礼します。
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