ケガレについて
更新日:2022年5月23日
こんにちはOne Bridge アカデミーです。
今日は12月20日ですね。世間では12月20日を「果ての二十日」と呼ぶようです。果ては「はて」と読み、一年の終わりを指します。12月20日が特別そのように呼ばれるようになった理由は諸説あるようですが、忌日としてケガレを避け、家の中で静かに過ごすことが望ましい日のようです。
そんな日ですが、One Bridge アカデミーは今日も元気に開校しております。授業・自習に来られる方は普段通りお越しください。また入会や学習相談も受け付けておりますので、是非ご気軽にお越しください。
さて冒頭でケガレについて触れましたので、少しですがこのケガレについて触れたいと思います。日本では不浄なものをケガレと呼び、避けるようにしてきました。ここで言う不浄とは外面的な汚さというより、目に見えない精神的な感覚上でのヨゴレのことです。
ケガレの概念自体は世界中の宗教で類似するものがあります。例えばイスラム教徒が豚を食べないこと等が有名ですね。決して日本独自の考え方ではないですが、日本には日本特有のケガレに対する考え方があります。
人や動物の"死"はケガレの代表です。お清めの塩はご存知でしょうか。お葬式などに行った際に、ケガレを取り除くための塩をいただくことがあります。また、神社の境内にはお墓がありません。お墓があるのは寺です。日本の神道は、死をケガレとして考えているため、神社に墓を置かなかったのです。
江戸時代にエタ・ヒニンという身分があったことを覚えているでしょうか。エタ身分の人々は狩猟や、動物の皮や毛を取り扱う仕事をしていた人達のことです。動物の死体を取り扱うわけですから、ケガレ概念の強い当時の日本人からすれば、避けたい仕事であったと思います。エタ・ヒニンはそれぞれ漢字で穢多・非人と書きます。穢は「ケガれ」とも読みます。穢が多いと書いて穢多です。江戸時代の身分制度については教科書に書かれることが度々大きく変わるぐらい確実なことが分かっていない分野ですが、この漢字から穢多・非人身分の人達が差別を受けていたということについては想像に難くありません。この差別は被差別部落問題として現代でも残っています。
さてこのように日本に風習として現代に残るケガレですが、皆さんはどうお考えでしょうか。そんなものない!という人が最近だと多いような気がします。
それはそうとして、こういった背景知識などを知っていると勉強する上で知識と知識が結び付いて記憶を強固にします。中高生の皆さんには、ふ~んという程度に知っておいていただきたいなと思います。