中学受験の光と闇_その5
更新日:2022年5月23日
こんにちはOne Bridge アカデミーです。
引き続き中学受験についての内容です。
前回の内容はコチラから
5,中高一貫校って何がいいの?
(ⅰ) 6年間を一つの単位とする一貫した教育
(ⅱ) 通常とは異なるカリキュラム
(ⅲ) 質の高い授業が受けられる
(ⅳ) 大学進学実績が高い
(ⅴ) 高校入試、一部学校は大学入試までせずに済む
今回は(ⅱ)についてです
(ⅱ)カリキュラムについて
中高一貫校では独自のカリキュラムを採用している学校が多くあります。一般的な公立の中学ではほとんど内容の同じ教科書を使いますが、中高一貫校では学校ごとに大きく異なります。あるいは殆ど教科書を使わないで、学校オリジナルの教材を使用したりもします。
独自のカリキュラムを採用する背景としては、高校受験が無いことが挙げられます。高校入試は中学校で学習する内容によって構成されますが、中高一貫校に通う生徒は受験しませんので中学の内容をじっくりと勉強する必要はありません。大学入試を見据えて中学時代から学習した方が有益であるという判断だと思います。
大学入試を見据えた学習とは、一般的な中学校で学ぶ内容をやらないというわけではなく、学ぶ順番を入れ替えたり、単元にかける時間の配分を変えたりすることによって実現しています。中1の時点で英語はSVOCで考え、数学は不等式や連立方程式の計算を学びます。それが中学の範囲から逸脱していたとしても、科目を体系的に理解する上で効果的な学習順を採用しています。
授業の進行も早いです。学校によって異なりますが、高1や高2の時点で高校の内容を全て終えるという学校も多くあります。偏差値の高い中高一貫校ほど進行が速い傾向にあります。
浮かせた1~2年分はそのまま入試演習に注ぎ込みます。入試対策に時間をかけられることが、独自カリキュラムの大きな利点と言えます。大学入試直前で高校課程を終えるのと、みっちりと演習を挟んでから大学入試に臨むのとではどちらが受験上優位であるかは明白だと思います。しかし進行が速い分、そのペースについていけない人も多いです。そのため学校の授業についていくために塾に通うという中高一貫校の学生も多くいます。
公立高校でもハイレベルな高校は高校3年間分の学習内容をほとんど高2の時点で終えますので、その点では同じです。ただし中高一貫校が中学の内容をハイペースで進めるのに対して、こちらは高校の内容をハイペースで進めるという点を考慮する必要があります。難しい高校の学習内容を圧縮すると理解が追い付かない恐れがあります。そういった高校に入学できる生徒ですからそれに堪える素養はありますが、高校で怠けると一気に置いて行かれてしまいます。
さて、今回は以上となります。
中高一貫校のカリキュラムは進行が早く、ついていくことが大変ですが、それができれば多大な受験上のメリットがあります。中高一貫校の利点の一つとして、受験の動機になるのではないでしょうか。
それでは失礼します。