中学受験の光と闇_その7
更新日:2022年5月23日
こんにちはOne Bridge アカデミーです。
引き続き中学受験についてです。
その1はコチラから
前回の記事はコチラから
5,中高一貫校って何がいいの?
(ⅰ) 6年間を一つの単位とする一貫した教育
(ⅱ) 通常とは異なるカリキュラム
(ⅲ) 質の高い授業が受けられる
(ⅳ) 大学進学実績が高い
(ⅴ) 高校入試、一部学校は大学入試までせずに済む
今回は(ⅳ)についてです。
(ⅳ)中高一貫校の大学進学実績について
事実として中高一貫校の大学進学率は概して高く、また難関大学合格者の出身校は中高一貫校でかなりの割合を占められています。少し調べれば有名大学合格者数ランキング等で、中高一貫私立の有名校が名を連ねていることを知ることが出来ます。
この実績から有名大学に合格するための切符として中学受験を考えられる親御様は多いのではないでしょうか。しかし上記のような輝かしい中高一貫校の実績を、そのまま数字通りに信じて受け入れることは危険です。
それにはいくつか理由がありますが、まずよく知られた話として、データとして公表される合格者数と実際に有名大学に合格した人の人数には大きな開きがあることが多いことです。例えば早慶合格者数100人と載っていたとしても、1人が3,4学部合格するということもザラにありますので、実際に早慶に合格している人数は30人~40人程度というようなことです。中高一貫校に限った話ではありませんが、学年の上位100位までが早慶に合格しているということではありませんので注意しましょう。
次に学年の人数です。学年の人数が多い学校であった場合、当然合格者数も増えます。大切なのは率です。
また合格者数の現浪率にも注目する必要があります。これは根拠となるデータがあるわけではないので私の所見ですが、中高一貫私立は浪人する人の割合が高いように思います。浪人生も現役時代は中高一貫校の教育を受けているわけですから数としてカウントできないということにはなりませんが、中高一貫校同士や、公立中高と比較する上での純然な実績かというと難しいと思います。
さて中高一貫校の難関大学合格実績は丸っきりそのままの数字ではないという話でしたが、公立中高でも同様のことが言える内容ですので大学受験における中高一貫私立の優位性を揺らがせるという程の内容ではありません。
しかし近年では公立の中高一貫校が増加しているという背景のもとで調査が行われ、公立中高と中高一貫校の進学実績の差は、学校教育の差ではなく、入学時点での学力の差であるという研究データが発表されています。中高一貫校を受験する動機を失わせる研究結果ですが、私はここにこそ中学受験をすることの理由を見いだせると思います。
中高一貫校は高校受験を経ずとも何かしらの優位点により、中学に入学した時点での学力水準を保証してくれるということが明らかになりました。全体としての話ですので個別の学校や学生に限ればそうとは限りませんが。
いつどのタイミングで受験するかは人それぞれです。しかし大学受験をする時期は決まっています。それまでのどのタイミングで学力を向上させるのか、それは早ければ早いほど良いと私は思います。時期を先延ばしにし、いつするのか分からない勉強を待つよりも、親が子供の勉強をコントロールできる小学生の時期に勉強させることで学力水準の向上をより確実にもたらす。それこそが中学受験をすることの第一の利点ではないかと思います。
先に書いた中高一貫校がもつ優位点とは何であるのか明確には分かりませんが、私としての見解はありますので、後日書きたいと思います。