英語の和訳
更新日:2022年5月23日
こんにちはOne Bridge アカデミーの三田です。
高校生の定期試験も終了し、少し塾が静かになってきましたが、当塾でも大学受験生たちが受験に向けて徐々に勉強のペースを上げ始めています。
ここ最近そんな受験生たちから、よく相談を受けるのが和訳はできるのに文章の言っている意味が分からないという悩みです。文法や単語を勉強して英文を直訳調の日本語にはできるのに、何を言っているか分からない、その結果問題が解けないというものです。
その原因は、和訳で書く日本語と自分で理解できる日本語に差があるからだと思います。
例えば
To know him is to like him.
という文章をどのように日本語訳しますか?
文法をしっかり学んだ受験生であれば
<To know him>...
動詞 is の前に来ている主語の不定詞だから名詞的用法(~すること)
<to like him>...
動詞 is の後に来ている補語だから不定詞の名詞的用法(~すること)
つまりこの文章は
「彼を知ることは彼を好きになることだ」
という風に訳せると思います。
ただ実際にこれってどういうこと?と突っ込まれると、どういうことなのか分からないという生徒が多いです。
それでは今回書いた和訳を少しずつ変えてみると少しずつこの文章のメッセージが分かってくると思います。
①「彼を知ることは彼を好きになることだ。」
②「彼を知ることは彼を好きになることである。」
③「彼を知ることは彼を好きになることを意味する。」
こうして日本語だけを見ると少ししか変わっていないですし、英語の直訳としてはすべて間違っていません。
この英文の本質は「彼を知ること」=「彼を好きになること」だからです。
ただこうして三つの日本語訳を見比べるとだいぶ印象が変わってきませんか?
実は今回のTo know him is to like him.という文章は
「彼と知り合いになった人はみんな彼のことを好きになってしまう。」
というメッセージが含まれています。
この正解のメッセージをどの段階の和訳で受け取れるかがおそらく人それぞれだと思います。最初の「彼を知ることは彼を好きになることだ」という文章から、「彼を知った人はみんな彼を好きになってしまう」という意味で取れるかもしれないですし、「彼を知ることは彼を好きになることを意味する。」を見ても、まだ気づかない人もいるかもしれません。
ただ和訳の仕方を少し変えるだけで文章が言っているメッセージは受け取りやすくなります。自分が文章のメッセージを受け取りやすい「和訳の仕方」を見つけてその和訳の仕方を使っていくことで、読解の質はかなり上がってくると思います。
そのためには
1.和訳はできてたはずなのに、よくわからなかった英文を探す
2英語の構造を変えずに自分が作った和訳を変えてみる。
(例:助詞を変える、言葉尻を変える)
3.正解の訳が導ける直訳を見つける。
4.英文とメッセージが受け取れたなと言う訳をノートに書く
5.そのノートを定期的に見直す
という作業がいいと思います。
こうすることで似たような構造の英文が出てきた時にも、筆者のメッセージを受け取りやすい和訳を作ることができるようになります。
英語の読解問題では授業を受けたり、解説を読んでいると多くの受験生が「訳はまちがっていないし…」「なるほどね」とスルーしてしまいがちな部分なのですが、ここにしっかりと向き合うことで大きく実力が伸びる生徒は少なくありません。
英語の長文が訳せているのに、何を言っているのか分からないという人は是非とも直訳の仕方を変えてみるのはいかがですか?
そんなの自分じゃできないわ!という方は是非とも当塾にお越しください。夏期講習・通常授業を通じて当塾で指導させていただきます。
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