勉強する人のノートの取り方
更新日:2022年5月21日
こんにちはOne Bridge アカデミーです。
1月も終わり、もうすぐ学年が変わる時期です。
「これからは本腰を入れて勉強だ!」という方はお気軽にご相談下さい。
さて今日はノートの使い方について述べたいと思います。
よく生徒のノートを見ると、キレイにまとめられた色とりどりのノートを目にします。
おそらく学校の授業中に先生の書いた板書を丁寧に写したのだと思いますが、そういったノートを見るたびにもったいないなと思います。
ノートはキレイさよりも、何に使うかの方が大事です。
「後でノートを見返したときに分かるように」
「ノート提出があるから」
「単純に汚いのが嫌だから」
生徒に聞くと大体こんな反応が返ってきます。
ですが実際にノートを見返して勉強することがあるかというと、そんなことは滅多にありません。
ほとんどの子は、学校で配布された問題集やプリント、参考書を使って勉強します。
学校の板書をもう一度見てもテストの点数にはならないし、見ても分からないと思っているからです。
学校のノートが重要になるのは多くの場合、国語の定期試験ぐらいでしょう。
そもそも学校の授業で扱うような内容は、教科書や問題集に詳しく解説が書かれているので、そっちを見れば事足ります。
わざわざ自分で書いて写経する必要はありません。
解説などが書かれていない問題集やプリントを使っている場合は、まずは解説が丁寧に書かれている参考書等を手に取ることを勧めます。
誤解を生まないよう丁寧に言うと、
「授業中の先生の話を無視してまで板書に必死になるのは意味がない」
ということです。
結局、板書をキレイに写してノートをつくるのは、自己満足のためであり、勉強的な意味はほとんどありません。
そんな意味のないことのために、何十・何百時間と授業時間を使うのはあまりにもったいないです。
ではノートは取らなくてよいのか
授業中は板書を写す以外何をすればよいのか
ということを考えるために、ノートの存在理由から述べます。
ノートの役割は主に3つに分けることができます。
1.暗記するべきものを一覧にしてまとめるため
2.重要事項などをメモするため
3.問題を解くため
1.について
主に地歴や公民などの社会系の科目に利用される、暗記のためのノートです。
勉強状況によって、理科や英語などでも有効です。
自分なりに単元の内容を整理し、覚えるべき内容を書き入れていくことで作成します。
以下まとめノートと呼びます。
このノートをつくることの効果は2点ありまして、
ⅰ)ノート作成自体の記憶定着効果
まずこれです。
まとめノートの作成は簡単な作業ではありません。
単元全体(状況によって単元をまたいで)の内容を把握した上で、重要なポイントや流れ、対比関係などを自分で分かりやすく紙面上に再構築しなければなりません。
ノートを作成するために勉強することが必要になります。
そのためこのノートを作ること自体が点数向上につながります。
ⅱ)オリジナル参考書を保有できる
大変な作業を経て完成したノートは、勉強の過程で間違えた問題などを追加していくことで、更に自分にとって効果的な学習ができるノートへと成長していくことになります。
最終的には、その一冊を完璧に覚えるだけで全ての問題で得点することができる(実際に満点を取るのは難しいですが)オリジナル参考書ができあがります。
また暗記すべきことは色々な参考書に点在しているよりも、一冊でまとまっている方が暗記のしやすさという点で便利です。
いざテスト中にすぐに答えが出ず、思い出さなければならないという時もノートを一冊丸々を写真のように暗記していれば思い出すことも容易です。
上の画像はまとめノートの例です。
当塾の生徒のものを借りました。
新たに得た知識などを付箋で貼って追加しているのが非常に良いですね!
重要なポイントはマーカーや色を使い、記憶に残りやすくしている点も良いです。
まとめノートをキレイにつくる必要はありません。
知識が網羅されているか、体系化されているかが重要です。
授業の板書と異なる点は、自分でつくり直したという点です。
能動的な学習は、受動的な学習とは一線を画す学習効果が期待できます。
まとめノートの作成は、対定期試験用の勉強としても効果的です。
しかし主眼は模試や受験を目的とした勉強です。
本格的な勉強をしようという人は是非やってみると良いと思います。
2.について
主に授業中に使うノートです。
以下授業ノートと呼びます。
今回の主題ですが、授業中にノートをとる際は以下の点を意識してほしいと思います。
写した板書から理解できる人は別ですが、ほとんどの人は板書を写したノートを後で見返しても意味が分からないと思います。
数学を例にしますと、板書は基本的に問題の解き方であって、その問題の重要なポイントや、解答に至る考え方などではないことがほとんどです。
そんな教科書や参考書にすでに書いてある内容を写しても、先生が直接目の前で教えてくれる授業を有効活用できているとは言えません。
今何を学んでいるのか
その知識でどういった問題を解けるようになったのか
どういった考え方でその解法に至ったのか
そういったことは板書ではなく、授業内で先生が言葉で話しているはずです。
その部分をしっかり聞いて、授業の内容を少しでも吸収することのほうが、板書を写すよりも有意義だと私は思います。
最近では板書で書かれる内容はプリントで先に生徒に渡しておき、板書の手間を少なくしている授業も多いと思います。
そうしたことをしているのは、「板書に必死になるのではなく、先生の話を聞いてほしい」と先生が訴えているからだと思います。
見返しても意味の分からない、あるいは意味のない板書を取るのはやめて、先生の話をよく聞くようにしましょう。
そして先生が話した中で大事だと思ったことをチョロっとメモをする。
はじめは自分が理解できたところだけで構いません。
そんなノートを授業中に作る・使うことで授業を有効活用でき、賢くなっていくと思います。
3.について
同じく数学を例に述べます。
数学における紙の役割は、頭の中で考えていることを可視化し、保存することです。
ほとんどの人は複雑な数式を暗算で処理することができません。
そのため紙に書いて計算しやすくし、また数値として残しておくことで後で利用しやすい情報とします。
つまり頭の中で同時並行に色々と考えられないから、紙に記録しておくということです。
だから色々と考えている人ほど多くのことを紙に書きます。
書きながら考えます。
問題を解いている最中に手が止まっている人は、頭の中で沢山のことを考えられるスゴイ人か、何も考えられていない人のどちらかです。
ですので飛び抜けて頭の良い人で無い限り、問題を解く際は手を動かして書きながら考えるようにしましょう。
グラフや図を自分で書いたり、既に分かっていることを列挙しても良いです。
じっと問題を見ていても何も始まりません。
結局、問題を解くノートというのはまとめノート、授業ノートとは違うノートだということがここではポイントです。
まとめノートと授業ノートは見返して勉強をするためのノートですが、ここで話題にしている3つ目のノートはただ問題を解くためのノートであって、見返す必要のないノートです。
そもそもノートである必要すらありません。
いらない紙の裏や雑記帳で構いません。
いやむしろそのような、いらない紙である方が望ましいです。
横線が引かれているようなルーズリーフやノートはどうしてもキレイに書こうと意識してしまいますので、解くのに無駄に時間がかかってしまいます。
どうしても汚くなりがちな、問題を解くためのノートは、まとめノートや授業中に使うノートを見返す際の邪魔になりますので分けた方がよいかと思います。
これで心置きなく、汚く無駄に紙を使って問題を解くことができますね!
ノートに式やグラフを書くと紙が無駄になる、お金が・・・といった面倒くさがりの言い訳もすべて粉砕です。
私事で恐縮ですが...
私も問題を解く際は裏紙に解いていました。
まとまった数の裏紙が手に入れにくくなってからはコピー用紙を購入して解いてました。
ルーズリーフは1枚3円あたりしますが、コピー用紙は1枚1円程度で両面真っ白ですからどんどん使えます。
コピー用紙を使うことを思いついた時は自分を天才かと思いました。
それで受験生の時は解いて解いて、溜まっていくコピー用紙の束を見てニヤニヤしていました。
これだけ勉強したのだと自信の拠り所にしたんですね。
受験には普通に落ちました。
解いて紙を貯めることが目的化していたのでしょう。
愚かでした。
さて、当たり前の話ですがノートがキレイにまとまっているからと言って点数が取れるわけではありません。
テスト中は何も見ることができませんので、紙面上ではなく頭の中に知識が入っているかどうかが点数の高低を決めます。
そういった意味で、全てのノートは中身を覚えない限りテストの得点には何ら寄与せず、無価値であると言えます。
ノートのキレイさと成績には負の相関がある!
とまでは言えません。
が、経験上ノートを取ることが目的化していると思われる人は成績が低迷状態にあることは多いです。
気をつけましょう。
今回の要点は
「無駄な板書はしない」
「ノートは有効利用してはじめて価値がある」
ということでした。
ノートを取ることを目的化してはいけません。
勉強して賢くなるためにノートはあるのだと認識するべきだと思います。
それでは失礼します。